「親から相続した山林や古い空き家を手放したいけれど、何から手をつけていいか分からない」
「役所の書類や権利書など、難しい名前ばかりでパニックになりそう…」
不動産の処分や名義変更を進めようとした時、最初につまずきやすいのが「書類集め」です。
今回は、不動産の手続きによく登場する8つの重要書類について、「どんな書類なのか?」「どこに行けば取得できるのか?」を一般の方にも分かりやすく解説し、一覧表にまとめました。
お手元の書類の整理や、これからの手続きの参考にしてください。
手元にあるかチェック!手続きに登場する8つの重要書類
不動産の状況(土地のみか、建物があるか)によって必要なものは変わりますが、主に以下の8つが手続きのベースとなります。
1. 登記済権利書(または 登記識別情報)

いわゆる「権利書」です。対象となる不動産の正当な所有者であることを証明する、最も重要な書類です。
昔のものは「登記済権利書」という和紙のような冊子でしたが、2005年以降に名義変更をしたものは「登記識別情報通知」という、シールや折り込み方式の下に12桁の英数字(パスワード)が記載された書面に変わっています。
2. 固定資産税納税通知書

毎年春(4月〜6月頃)に、市区町村の役所から所有者のご自宅へ郵送されてくる「税金の請求書」です。
振込用紙と一緒に同封されている明細書には、所有している不動産の面積、評価額、その年度に支払う税金の金額などが詳しく記載されています。
この書類があることで、不動産の基本的な情報がすぐに把握できます。
3. 固定資産税評価証明書

市区町村の役所が「その不動産の評価額(基準となる金額)」を公式に証明した書類です。
不動産の名義変更(相続登記等)をする際の税金計算や、売却・引き取り査定時の目安として使用されます。
自宅に自動で届くものではなく、手続きの際に役所の窓口や郵送で最新年度のものを取得します。
4. 土地所在図(位置図)

その土地が、周辺の道路や他の土地と比べて「どの位置にあるのか」を示す地図です。
基本的には、法務局の窓口やインターネット(登記情報提供サービス)を通じて取得しますが、古い土地などの場合は法務局に図面が存在しないことも少なくありません。
そのような場合の代わりの資料(参考資料)として、多くの市町村が整備している「地番参考図(役所の窓口やウェブサイト等で閲覧可能)」や、別荘地であれば「別荘地管理会社が発行している区画図・地図」が、場所を特定するうえで非常に役立ちます。
5. 土地測量図・境界確認書

【土地測量図】は、土地の形、面積、辺の長さなどを専門家(土地家屋調査士等)が測った図面です。
【境界確認書】は、隣地の所有者と「ここが境界線ですね」と合意したことを示す、トラブルを防ぐための合意書類です。
過去に測量を行った際に作成され、ご自宅などで保管されています(古い土地の場合は作成されていないこともあります)。
6. 固定資産課税台帳(名寄帳 – なよせちょう)

特定の人が、その市区町村内に所有しているすべての不動産(土地・建物)の一覧表です。
「固定資産課税台帳」は、役所が税金を計算するために、管轄内の不動産一つ一つの情報を記録しているベースとなる公的な台帳です。
一方「名寄帳」は、その台帳に載っている膨大な情報を「所有者(人)ごと」に紐づけてまとめた一覧表のことです。
毎年の納税通知書には載ってこない「免税点以下の価値の低い私道や山林」も名寄帳にはすべて記載されるため、親の相続財産の全体像を漏れなく調査したい場合などに必ず取得する書類です。
7. 所有不動産記録証明書

2026年2月に施行された新しい制度による書類です。
法務局のデータをもとに、特定の人が「全国にどのような不動産を所有しているか」を一覧にして証明してくれます。
名寄帳が市区町村ごとであるのに対し、こちらは全国の不動産を一括で調査できるのが特徴です。全国の法務局で取得できます。
8. 建築確認済証・検査済証

【確認済証】は家を建てる前に図面が建築基準法に適合していることを証明するもの、【検査済証】は家が完成した後に図面通りに完成したことを証明する書類です。
家を新築・購入した際に住宅メーカー等から交付される重要書類ファイルに保管されています。
【一覧表】各書類の「取得時期・交付元」まとめ
上記でご紹介した8つの書類について、取得するタイミングや交付元を一覧表にまとめました。ご自身の状況と照らし合わせてご確認ください。
| 書類名 | 記載内容 | 取得時期・交付元 |
| 登記済権利書 (登記識別情報) | 対象不動産の所有者であることを証明する重要な書類。現在は12桁の英数字が記載された書面等になっています。 | 不動産を購入した時や、相続等で名義変更が完了した時に、手続きを担当した司法書士等から交付されます。 |
| 固定資産税納税通知書 | 毎年届く「税金の請求書」。不動産の面積、評価額、その年度に支払う税金の金額が記載されています。 | 毎年4月〜6月頃(自治体により異なります)に、不動産が所在する市区町村の役所から所有者宛てに郵送されます。 |
| 固定資産税評価証明書 | 役所が不動産の評価額を公式に証明した書類。税金計算や目安として使用されます。 | 手続きを行う際(最新年度のものが必要)に、不動産が所在する市区町村の役所窓口(税務課など)で取得します。郵送取り寄せも可能です。 |
| 土地所在図(位置図) | その土地が周辺の道路や他の土地と比べてどの位置にあるのかを示す地図です。 | 必要になった時に随時、法務局の窓口、またはインターネット(登記情報提供サービス)で取得できます。 |
| 土地測量図・ 境界確認書 | 土地の形や面積を測った図面と、隣地の所有者と境界線について合意したことを示す書類です。 | 過去に測量や境界確認を行った際、専門家や隣地所有者との間で作成・交付されます。 (古い土地の場合は作成されていないこともあります。一部の測量図等は法務局で取得できる場合があります) |
| 固定資産課税台帳 (名寄帳) | 特定の人が、その市区町村内に所有しているすべての不動産(免税点以下も含む)の一覧表です。 | 相続財産の全体像を把握したい時などに、不動産が所在する市区町村の役所窓口で取得します。 |
| 所有不動産記録証明書 | 特定の人が全国に所有している不動産を一覧にして証明する書類です。 | 亡くなった方の遺産(不動産)を調査する時などに、全国の法務局の窓口で取得できます。 |
| 建築確認済証・ 検査済証 | 建築基準法に適合して図面通りに家が完成したことを証明する書類です。 | 家を新築・購入した時に、住宅メーカー等から交付されます。 (再発行はされませんが、役所で「建築計画概要書」等を取得して代用できる場合があります) |
「書類を紛失してしまった…」そんな時でも大丈夫?
表を見て、「うちにはこんな書類ないかもしれない」「親がどこにしまったか分からない」と不安になった方もご安心ください。
実は、最初からすべての書類が完璧に揃っていなくても、不動産の処分に向けて動き出すことは十分に可能です。
紛失しても代用・再取得できるものが多い
たとえば、毎年送られてくる「固定資産税納税通知書」を捨ててしまっても、役所で「評価証明書」や「名寄帳」を取得すれば必要な情報は確認できます。
また、図面関係も法務局で代わりの資料が取得できるケースが多くあります。
権利書を無くしてしまった場合は?
一番大切な「登記済権利書(または登記識別情報)」ですが、これは一度紛失すると法務局でも再発行はしてくれません。
しかし、だからといって不動産を手放せなくなるわけではありません。処分(所有権移転)をする段階で、手続きを担当する司法書士が「本人確認情報」という書類を作成するなどの代替手続きを行えば、問題なく名義を変えることができます。
まとめ:書類が足りなくても、まずはご相談を
不動産の書類は専門用語が多く、一般の方がすべてを自力で調べたり、役所を回って集めたりするのは非常に労力がかかります。
「引き取ってもらいたいけれど、書類が足りないから…」と悩んで放置してしまうのが、最も避けたい事態です。
さくらエステートの有料引き取りサービスなら、手元にどんな書類があるか分からない状態からのご相談も大歓迎です。
不足している書類があれば「これは役所の〇〇課で取れますよ」とアドバイスさせていただいたり、提携する司法書士等の専門家と連携して調査をサポートいたします。
まずは、お手元にある書類(毎年届く固定資産税の明細書など、たった1枚でも構いません)をご用意のうえ、お気軽にお問い合わせください。現状の把握から確実な処分まで、私たちが伴走いたします。
