「お金はいらない。タダでいいから、この土地を引き取ってくれませんか?」
私たちのもとには、毎日のようにこのようなご相談が寄せられます。
所有者様からすれば、「土地という『資産』をあげるのだから、引き取り料まで払うのは納得がいかない」と感じるのも無理はありません。
しかし、不動産の実務現場では、「0円でも貰い手がつく土地」と「お金を払わないと誰も引き取らない土地」は明確に分かれています。
この記事では、その境界線がどこにあるのか、なぜ処分費用がかかるケースがあるのかを、包み隠さず解説します。
1. 「0円」で譲渡できる(無償譲渡)可能性がある土地
まず、「タダ(0円)なら欲しい」という人が現れる可能性がある土地です。これらは「今は使っていないが、潜在的な利用価値がある」土地です。
- 隣の人が欲しがっている
(隣地所有者が、庭を広げたり駐車場にするために引き取るケース) - 平坦で、車が入れる道路に面している
(資材置き場や、太陽光発電用地として使える) - キャンプ用地として魅力がある
(川沿い、平地があるなど、ソロキャンプ需要にマッチする場合) - インフラが整っている
(電気・水道が来ていて、すぐに家が建てられる)
これらに当てはまる場合は、地元の不動産会社に相談したり、「空き家バンク」に登録することで、0円(贈与)で手放せる可能性があります。
2. 「処分費用」を払わないと手放せない土地(有料引き取り)

一方で、残念ながら「タダでもいらない」と判断され、逆に処分費用を払って引き取ってもらう必要がある土地です。いわゆる「負動産」と呼ばれるものです。
なぜお金がかかるのか? それは、引き取る側(当社など)にとって、その土地を持つことが「リスク」や「負債」になるからです。
固定資産税や管理費がかかり続ける
引き取った瞬間から、当社には毎年の納税義務が発生します。別荘地であれば、高額な管理費も発生します。売れる見込みがない限り、これらは単なる「赤字」になります。
所有者責任(工作物責任)のリスクがある
例えば、山林の木が倒れて道路を塞いだり、古い建物が崩れて隣の家を壊したりした場合、所有者が賠償責任を負います。引き取るということは、この「将来の事故リスク」も一緒に背負うことを意味します。
利用価値が極めて低い
- 急傾斜地・崖地(何も建てられない、登れない)
- 袋地(他人の土地を通らないと入れない)
- 原野商法の土地(電気も水道も通っていない山奥)
こうした土地は、持っているだけでコストとリスクがかかるため、「そのリスクを引き受ける対価」として、処分費用(引き取り料)を頂く形になります。お気持ちは痛いほどわかりますが、これは粗大ごみを出すのにお金がかかるのと同じ理屈です。
3. あなたの土地はどっち? セルフチェックリスト
ご自身の土地がどちらに当てはまりそうか、簡易チェックをしてみましょう。
| チェック項目 | 「0円譲渡」の可能性あり | 「有料処分」の可能性大 |
| 道路 | 車で敷地内まで入れる | 道がない / 入れない |
| 地形 | 平坦、または緩やか | 急斜面 / 崖がある |
| 境界 | 杭があり、明確である | どこからどこまでか不明 |
| 建物 | まだ住める / 更地 | 廃屋 / 崩壊の危険あり |
| 維持費 | 固定資産税のみ | 管理費・修繕積立金がある |
右側の「有料処分」の項目が多い場合、一般市場や空き家バンクで譲渡先を見つけるのは極めて困難です。
放置して税金を払い続けるよりも、早めの損切り(有料処分)が経済的合理性に叶うケースが多いです。
4. 「いつか売れるかも」の落とし穴
「有料で処分するのは悔しいから、とりあえず持っておこう」
そう考える方も多いですが、ここには2つの大きなリスクがあります。
- 「相続」で問題が複雑化する
所有者が亡くなり、子供や孫の代になると、権利関係が複雑になり、処分したくてもできなくなります(共有者の同意が得られないなど)。 - 放置するほど費用がかさむ
10年間、毎年5万円の固定資産税を払えば、それだけで50万円の出費です。さらに、行政から「特定空き家」に指定されると、税金が最大6倍に跳ね上がったり、強制解体の費用を請求されるリスクもあります。
5. さくらエステートの「有料引き取り」とは?
私たち株式会社さくらエステートは、他社で断られたり、0円でも貰い手がつかなかったりした不動産の「最後の駆け込み寺」です。
- 適正価格での引き取り
土地の状況を拝見し、将来の管理コスト等を算出した上で、最低限の引き取り費用をご提示します。 - 完全な縁切り
所有権移転登記を確実に行いますので、お客様は将来の管理責任、固定資産税、近隣トラブルから完全に解放されます。
「自分の土地は有料になるのか、それとも価値があるのかわからない」
という場合でも構いません。まずは無料査定にて、プロの目で判断させてください。
正直に、「これは売れますよ」あるいは「これは処分費用がかかります」とお伝えさせていただきます。


